エビデンス
英文タイトル
The Long-Term Effect of a Plaque Control Program on Tooth Mortality, Caries and Periodontal Disease in Adults. Results After 30 Years of Maintenance
和文参考タイトル
成人の齲蝕および歯周病による歯の喪失率に対する プラークコントロールプログラムの 長期効果- 30 年間のメインテナンスの結果
和文要訳はオリジナル文献を忠実に注訳した内容であり、オリジナルの文献との内容の相違がある際には オリジナルの文献を優先し、本注訳は無効とします。
背景:歯面に形成されて残るバイオフィルムは齲蝕や歯周病に起因しています。齲蝕と歯 周病の予防にはこの歯垢に対策を取る事が必須であるという考えに基づきます。
目的:この研究は、30 年間においてプラークコントロールプログラムを忠実に遵守した成人患者の、歯の喪失、齲蝕やアタッチメントロスの発生を調査するために行われました。 さらに、1972 年と 2002 年に 51〜65 歳であった個人の口腔健康状態についても比較調査が実施されました。 材料および方法:1971 年と 72 年に 550 名以上の被験者が募集され、375 名を試験群、 180 名を対照群として調査が開始されました。6 年間に渡る観察後に対象群に対する検証 は中止されましたが、テスト群は予防歯科プログラムを継続し、最終的に 30 年後に再評価されました。 ベースライン、3 年後、6 年後、15 年後および 30 年後にプラーク、齲蝕、プロービング ポケットの深さ、プロービングアタッチメントレベル、CPITN が検証されました。それぞれ の患者に詳細なる口腔内における自己診査の説明と教育が行われました。 最初の 2 年間は 2 か月に 1 度、その後 3〜30 年間は患者の必要に応じて 3〜12 か月に 1 度、適切なプラークコントロールを行うための歯ブラシ指導や歯間部のプラークを除去するための補助清掃法(歯間ブラシ、デンタルテープ、歯間用ようじ) を含む個々に必要な自己診断と自己管理の追加教育が行われました。さらに、歯科衛生士によるⅰ)プラークの染 め出しⅱ)フッ化物含有歯磨剤/ペーストの使用を含む専門的な機械的歯面清掃が行われま した。
結果:30 年間のメインテナンスで失われた歯は数本でした。喪失歯は異なる年齢群で 0.4 〜1.8 本でした。喪失歯の主な原因は歯根破折でした。進行性歯周炎や齲蝕が原因で喪失 したのはわずか 21 歯だけでした。新たに齲蝕の発生した歯数は 3 群でそれぞれ、1.2、 1.7 、2.1 本でした。発生したう蝕の 80%は再発性齲蝕でした。頬側面を除くほとんどの部位でアタッチメントロスの兆候は認められませんでした。1972 年と 2002 年に評価した患者群のすべての年齢層で隣接面においては再付着の獲得がみられました。
結論:本研究は高水準の口腔衛生を維持するという恩恵を受け、認識し、そのことを奨励され、注意深く検証された患者における予防的歯科治療の 30 年の結果について報告されています。この研究における被験者の歯の喪失率や齲蝕と歯周病の発生率は非常に低いことが判りました。この予防歯科プログラムが 30 年間、同じ歯科医院が実施したということを念頭に置き、無作為に抽出された長期的な縦断研究と比較する際はその事に留意してください。