和文参考タイトル:接着性の歯列矯正装置をもちいた矯正治療後の齲蝕ホワイトスポットの発生
英文タイトル: Prevalence of carious white spots after orthodontic treatment with multibonded appliances

目的:
口腔衛生指導と毎日のフッ素配合洗口剤の組み合わせが、接着ブラケットを用いた歯科矯正治療中の齲蝕ホワイトスポットの発生を減少させるという仮説を評価する。

材料と方法:
主題の選択
試験グループAおよびBを設け、それぞれに異なる歯列矯正クリニックで治療を受けた60人の青少年を含めた。また、歯列矯正治療を受けていない学生を対象群として60人用意した。
グループAおよびBの患者の検査は、ボンディングされた矯正装置の取り外し後1.8年後および1.0年後に行われた。
治療前に、すべての患者は、毎日のフッ化ナトリウムでの洗口を含め、口腔衛生の動機づけや訓練を受けた。
グループAは、より慎重に検討されたフッ素プログラムに加えて、グループBより頻繁に動機づけを受けた。

臨床検査
治療中にブラケットと接着材で覆われた領域外の頬側エナメル質歯面の白濁および拡張性に応じて1〜3のスケールで、齲蝕ホワイトスポットをスコア付けした。
エナメル質表面の粗造感は齲窩として記録された。
それぞれの頬側歯面の近心、遠心、歯肉辺縁部および切縁部で、スコア付けを行った。

データ分析の実施

結果:
白濁およびホワイトスポット病変の拡張の両方について、グループBでは対照群よりも有意に高いスコアが見られた。
A群と対照群、A群とB群の間に有意差は認められなかった。
最も大きな割合のホワイトスポット病変は、歯肉辺縁領域で採点された。
罹患した歯は、上顎側切歯および下顎犬歯および小臼歯であった。
切縁部には齲蝕性のホワイトスポットは記録されなかった。

結論:
接着性の歯列矯正装置は、ホワイトスポットの発生率を必ずしも高めるわけではない。
口腔衛生とフッ素使用に関する指導と動機づけは、個々の衛生に加えて、治療中に提供すべき主要な要素である。