Long-Term Effect of Erythritol on Dental Caries Development during Childhood: A Posttreatment Survival Analysis.
**************************
和文要訳はオリジナル文献を忠実に注訳した内容であり、オリジナルの文献との内容の相違がある際にはオリジナルの文献を優先し、本注訳は無効とします。
**************************
背景:
キシリトールは特にキシリトールガムを噛むことの利点から、齲蝕予防効果が証明されている。
齲蝕原性活性に対するキシリトールの主な利点は、唾液腺の刺激、緩衝能および再石灰化の促進、酸生成の減少である。それらは、糖アルコールの低酸生成原性およびStreptococcus mutansの成長阻害によるものであり、文献等で証明されている。
36ヵ月間の二重盲検、無作為、介入研究を通じ、キシリトールおよびソルビトール消費と比較して、エリスリトールの消費は象牙質表面の齲蝕数を減少させた。 Runnelら(2013)は、エリスリトール含有キャンディーの毎日の摂取が歯垢の量に有意な減少をもたらしたが、キシリトールまたはソルビトール群ではそのような変化は検出されないことを明らかにした。 S. mutansのプラーク中濃度は、エリスリトールを摂取する小児において、キシリトールおよび対照群と比較して低いことが示された。
目的:
エリスリトール、キシリトール、およびソルビトール配合キャンディーの毎日の摂取が混合歯列期における齲蝕の進行に及ぼす効果を、3年の介入期間およびその3年後にエストニアの学校の子供の集団に関して評価すること。
材料と方法:
- 10校のエストニアの小学校に在籍する485人の小学生を対象とし、二重盲検、無作為化、前向き介入を行った。
- 介入開始時に学校のクラスを無作為にエリスリトール、キシリトール、ソルビトール(対照群)に分けた。
- 3年間(2008-2011年)をとおして、子供達は登校日にエリスリトール、キシリトール、及び対照群を含むキャンディーを1日3回4つ合計7.5g/日を摂取した。
- 介入開始後3年と、日常の摂取中断後3年の6年の期間、齲蝕の進行は、ICDAS(国際齲蝕探知評価システム)を用いて歯科医師により毎年評価された。
- 開始から3年後の2011年、多価アルコール消費の潜在的な長期的影響を特定するために420名の参加者は再検査された。
- 上記のうち364人(87%)は、2014年までさらに3年間のフォローアップに参加することに同意した。
- 本モデルには、被験者の年齢、学校、歯面の介入時期、および介入に対する歯牙の萌出、その表面の介入経過年数が含まれていた。
- ICDAS採点システムには、エナメル質/象牙質齲蝕の進行、象牙質齲蝕の進行、齲蝕スコアの増加、歯科医の介入が含まれていた。
結果:
- すべての期間で、エナメル質/象牙質の齲蝕の進行、象牙質の齲蝕の進行、齲蝕スコアの増加および歯科医の介入までの時間は、エリスリトール群が対照群と比較して有意に長かった。
- 多価アルコールキャンディーの日毎摂取を止めてから3年後には、キシリトール含有キャンディーを摂取した子供の齲蝕スコアの著しい増加を除き、介入群間で齲窩、欠損、修復歯や歯面の有意な差は観察されなかった。
- キシリトール群について有意な利益は観察されなかった。
- いずれの介入群においても悪影響は認められなかった。結論:
- 混合歯列期の3年間のエリスリトール摂取はソルビトールと比較して、齲蝕予防に関しては著しく効果がある。
- 介入の終了から3年後でさえ、エリスリトール群のエナメル質/象牙質と象牙質齲蝕の両方の進行が対照群と比較して遅かった。