Effect of Air Polishing Procedure with Glycine and Bicarbonate Powders on Glass Ceramic and Composite Resin Surfaces

Mario F De Goes Fabián Murillo-Gómez Renally BW Lima Cristiana Godoy Sartori

エビデンスメール配信 Vol.17 (2017年6月)
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和文要訳はオリジナル文献を忠実に注訳した内容であり、オリジナルの文献との内容の相違がある際にはオリジナルの文献を優先し、本注訳は無効とします。

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背景:
今日、ラバーカップポリッシングと比較し、エアーポリッシングシステムを使い歯肉縁上の外因性ステインやバイオフィルムを歯面または修復物から除去する事は確立された方法である。様々な要因によりエナメル質や修復物の表面粗度が生じると、より多くのバイオフィルムの蓄積につながる。炭酸水素ナトリウム(重曹)パウダーと比較してアミノ酸をベースとした硬度の低いパウダーはより優れた材料と考えられている。著者が知り得る中では今日までにセラミックとコンポジットレジン表面に両パウダーが与える影響を同時比較した科学的なデータが存在しない。

目的:
2種の異なるエアーポリッシングパウダーがセラミックとコンポジットレジン修復物でおきる表面粗度や形態の影響を比較すること。

材料と方法:
ディスクの準備:

  • ディスクは市販されている2種のナノハイブリッドレジン、ナノコンポジットレジン、1種の焼成用セラミックを用いて各10枚使用された。
  • 各材料につき1枚は処置前に形態を測定してコントロール群とした。

エアーポリッシングの行程:

  • どの材料もそれぞれ2グループに分け、2種の異なるパウダーにより処置を行った。-重炭酸ナトリウム(重曹)パウダー(Polidental, Ind. E Com Ltda, SP, Brazil)、 グリシンパウダー(Clinpro Prophy Powder, 3M ESPE, Seefeld, Germany)
  • 全てのディスクは一般的なエアーポリッシング機器(Brazil)にて距離10mm、10秒間、60度の角度、エアー圧は4.0 barsにて処置された。
  • 全てのディスクは水道水下で1分間水洗され、水を使った超音波洗浄機にて10分間洗浄された後、エアー乾燥された。
  • 表面粗度は走査型電子顕微鏡にて評価された。


結果:

  • 炭酸水素ナトリウム(重曹)パウダーで処置された試片のナノハイブリッドレジンではナノコンポジットレジンのそれと比較し、コントロールと比べて顕著な表面粗度が見られたが焼成用セラミック試片では優位さが見られなかった。
  • ナノハイブリットレジン、ナノコンポジットレジン、焼成用セラミックにおけるグリシンでの処置は炭酸水素ナトリウム(重曹)パウダーの場合と比較し、表面粗度の変化が見られなかった。


結論:
グリシンパウダーは炭酸水素ナトリウム(重曹)パウダーと比較しコンポジットレジンと焼成用セラミックへの表面性状変化を与えない。

臨床的関連:
特に多くの修復物が存在する口腔内の予防処置中にグリシンパウダーを使用することは、炭酸水素ナトリウム(重曹)パウダーを使用するより安全な選択肢である。